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 年々人気が高まっている日本ワイン。だが、原料となるブドウの生産は課題を抱え、足元が揺らいでいる。栽培の基礎となる健全な苗木を安定的に供給する体制をつくるため、生産者や醸造家らが、醸造ブドウ用の原木園を開く準備を進めている。

 ブドウの木の病害にはウイルスによるものがある。感染し発病すると、色づきが悪くなる、収穫量が落ちる、糖度が低い――といった影響を引き起こす。欧州など世界的なワイン産地では、予防策としてウイルスチェック済みの苗木を植えるのが一般的だ。

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4月には原木園で初めての植え付け作業が行われた=長野県東御市、日本ワインブドウ栽培協会提供

 だが、日本はチェック体制が十分ではない。畑でも、ウイルスへの感染がわかり病気のリスクを抱えた木が珍しくない。8道府県42農場から採取した132サンプルを調べたところ、ウイルス感染が約5割だったという結果もある。

 ひとたび感染したら、ブドウの木からウイルスを取り除くことはできない。感染拡大防止のため、ウイルスチェックをした苗木の供給が必要になっている。

畑のブドウ、意外に多い病気リスク

 また、温暖化もブドウ生産に…

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